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2012年10月29日月曜日

ハリケーン・サンディ、襲来。

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現在、アメリカ東海岸にHurricane Sandy(ハリケーン・サンディ)が来ており、100年に1度の規模のハリケーンらしく、大被害をもたらすと報道されています。(ボジョレー・ヌーヴォー的表現だなぁと思ったり…)

既に通過したキューバなどでは死傷者も多く出ており、こちらでテレビを見ていると、どのチャンネルもずーっとサンディの報道をしています。避難時のTipsや停電に備えてこうせよ、といったこともニュースでやっていて、なんだか日本での震災のときを少し思い出させられています。

昨日10月28日(日)夜からニューヨーク市街地では地下鉄やバスは全て止まっています。ブルームバーグ市長(ちなみに、あのブルームバーグの創始者です)は29日(月)の学校の休校を宣言。市内にZone A,B,Cを設定し、避難命令を出しています。Zone Aに対しては強制避難命令が出ています。

「えー、今いるホテルZoneどこなんだろう?」と思っていたら、なんとも便利なものがありました。対応が早いニューヨーク市、すごい。
http://gis.nyc.gov/oem/he/search.htm

このURLにアクセスして住所を入力すれば、なんと自分のZoneがわかり、周辺のZoneも地図上で表示されます。Evacuation Center(避難所でしょう)も地図上に表示されているので万が一のときも安心、というわけですね。ちなみに僕はZone Bにおります汗

NY Timesのツイッターも最新情報を流してくれているので、こちらでキャッチアップしています。https://twitter.com/NYTMetro

ちなみにこのサンディ、中心気圧が970hpa前後ということで、日本の強い台風に比べれば結構弱い部類に入りますから、個人的には大丈夫なんじゃないかなぁと思っているのです。実際、ハリケーンのレベルとしてもカテゴリー1という弱い部類に入っています。ただ、北部の気団と合体してもっと強くなる可能性があるらしいです。
災害というのはナメてかかってはダメなので、昨日のうちに食料と飲料は確保しておきました。停電になるのが怖いです。結構ニュースだと停電の可能性について話しています。

ハリケーンといえば昨年はアイリーン、2004年にはカトリーナ、を思い出すのですが、やはりカトリーナに関しては(不謹慎かもしれませんが)興味深いと思います。
大被害を出してしまったニューオーリンズは、地形的にスープ皿のような低地であり、ミシシッピ川の河口ゆえの特殊な地形、堤防も決壊、指導部が無能、などなど様々な要因が絡まり、陸地の8割以上が水没、インフラの復旧にも相当の時間がかかるということになりました。このようなことから各自治体は本当に水害対策には力を入れている(と信じたい)のですが、なんだか今回の避難命令や報道を見ていると大げさすぎるのでは?と思ってしまいます。やはり日本人が災害慣れしているからでしょうか。緊急用の食料/飲料というのは常に準備しているだろう、と思ってしまったり。

ニュースを見ていて驚くのは"Mandatory Evacuation"がかなりの人々に出ているということです。"mandatory"ということで強制避難命令ということになるわけで、既にZone Aに位置する375,000人が避難しているそうです。それにかなりの州が非常事態宣言を出しています。買い物に行けばものすごい人手で皆食料や水を買い込んでいます。これを見て「これは相当まずいのでは?」と思い始めました。(画像はニュース画像)



もしかすると、行政はあぁいった「強制」避難命令だとか非常事態宣言を出すことで民衆を煽り、危機意識を高めているのかもしれません。いくら注意しすぎてもしすぎることはないですしね。日本とは違うなぁ、という印象。

ともかく、大きな被害が出ないことを祈るばかりです。

ニューヨークを自転車でかっとばせ

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研究活動でニューヨークに来ており、中古の自転車で街を走り回っています。(決して遊んでいるわけではないです。至って真面目。)写真は途中で見つけた素敵な住宅街。Brooklynの6thと7th Ave.の間あたり、Atlantic St.から南下したところだったはず…?世間は既にハロウィン模様。ただ、残念ながら月曜日からはハリケーンサンディ(Hurricane Sandy)が東海岸を直撃するということで、明日からはしばし室内にこもって作業、ということになるかもしれません。

中古で相当安価に済ませた自転車ですが、普段あまり乗らないためか、お尻が痛いのです…(笑)これからあと十数日ありますが、できるだけ多くの橋梁(この写真の後ろに見えるのはBrooklynとStaten Islandを結ぶVerrazano-Narrows Bridgeです。スパン長は1298mもあるため、当時は世界最長の吊り橋だったそうです。(ちなみに世界一は明石海峡大橋)

しばし更新が滞るかもしれませんが、また面白いものを見つけたら更新しようと思います。



2012年10月26日金曜日

Jiro Dreams of Sushiを観た

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Photo By CytecK

働く人間にとって最も大事なものとは何なのでしょうか。

その答えを少しだけ教えてくれた気がするドキュメンタリー、"Jiro dreams of Sushi"をやっと観ることができました。

"Jiro"といっても、一部の熱狂的ファンを生み出しているラーメン二郎のことではなく、銀座の数寄屋橋にある「次郎」という寿司屋のことです。タイトルが英語であることからわかるように、これは日本のドキュメンタリーではなく海外向けのドキュメンタリーです。

6月あたりに知り合いの方に薦められて、長い間観てみたいと思っていたので、このタイミングで観られてよかったです。


「次郎」はミシュランで常に三ツ星を獲得し、三ツ星レストランのシェフの中でも最高齢85歳の小野次郎さんが寿司を握る高級店です。(現在はお子さんが主に握っていらっしゃるようです。)どれくらい高級かというとお一人様3万円からとのこと。仕入れによって勿論値段は変化します。黙々と、カウンターに出される寿司を食べ続け、早い人だと15分ほどで終わるようです。つまり15分で3万円以上支払うレベルの高級店です。お酒を飲みながらつまみを食べて、シメに寿司を食べるというところではなく、寿司だけをこだわりを持って提供してくださる寿司屋なのです。予約も1ヶ月前から。この価格なのに人気店。海外からのお客さんも多い。食べる人皆納得する、すごいお店です。
(ちなみに写真は「次郎」の寿司ではないです…すみません。)

「どのお寿司もシンプル。」「シンプルを極めていくとピュアになる。」
そう、フードライターの方は「次郎」の寿司を表していました。

次郎さんの寿司への哲学、仕事への哲学、生き様をはじめ、お店の後継者育成(息子さん二人やその他の弟子の方々)、寿司に使う食材へのこだわり…これらのことがドキュメンタリーの中で語られるのですが、ここまでのこだわりを持っているのか!と驚かされてばかりでした。そして何より、85歳で世界の寿司職人の頂点に立っているといっても過言ではない次郎さんが「頂点なんて存在しない、どうしたらもっとおいしい寿司を作ることができるか」ということにこだわりを持って常に向上心を持っていらっしゃることが大変素晴らしかった。

どこまで内容に言及していいか迷うところなのですが、とても印象に残ったところが3点あります。

・修行
「次郎」の店で修行をすると、まずはお客様に提供するおしぼりを手で絞る作業(やけどをするほど熱いそうです)、そしてしばらくは魚にも触らせてもらえず、やっと卵焼きを作ることを許されるそうです。弟子の方は200以上の卵焼きを焼いて、やっとOKが出た、と。そこで初めて次郎さんに「職人」と呼ばれたそうです。10年でやっと。地道な努力、だそう。

・食材の最高の目利きと最高の寿司職人のコラボレーション
マグロのプロ、お米のプロ…彼らとの絶対的な信頼関係の下、寿司を作るプロの次郎の職人さんたちがその最高の食材を最高の寿司へと作り上げる。僕たちが食べる寿司は、寿司職人の方しか意識にないかもしれませんが見えないところで本物のプロたちが関わっているという事実を改めて知ることとなりました。

・ホスピタリティ(といって良いのかわかりませんが…)
お客様が女性か男性かで寿司のサイズを変更し、最初に食べた利き手を見てその後寿司を置く場所を変える、など、こちらが気づかないような気遣いが印象的でした。いやーこれはちょっと驚きました。


なんだか、このドキュメンタリーを観て、プロとしての仕事の流儀だとか心がけだとか、寿司職人に限らず多くのことに当てはまることを学んだ気がしました。
冒頭の質問、「働く人間にとって最も大事なものとは何なのでしょうか。」という問に対する答え、次郎さんは「仕事を好きになること」だそうです。あの年齢でもまだまだ良い寿司が作れると、もっと上を目指さなくては鳴らない、という飽くなき向上心は若い僕も見習わなくてはならないと思わされました。常に明日のことを考えている、ここで終わるってことはない。もっとおいしくならないか、もっと上手にならないか24時間ずーっと考えているのです。そんな完璧主義者。がんばろう。。。こういった向上心という部分も、最初の質問の答えでしょう。

さらに思ったこと。マジックという芸術(まだ、僕は芸術に昇華できていませんが…)を少しかじっている人間として、学ぶことも多かった。常に、24時間、そのことを考えなくてはよいものは作れないだとか、見えない部分の努力(寿司で言えば海苔をあぶったり、シャリの微妙な温度、全ての食材へのこだわり)を怠ればそれはプロではない、表に出さないお客様への気遣い、などなど…。そして彼は寿司という作品を提供するのですが、マジックであればそれがトリックであるわけです。お客様にどのような体験をしてほしいか、と常に考えていれば、取るべきアクションの答えは自ずと出てくるのだなぁと強く感じました。勿論、それを実行にうつすことが難しいのですが。本当に難しいとは思います。彼の場合はそれが「おいしいと感じて満足してほしい」ということになるのでしょう。そのゴールに達するまでがここまでの食材へのこだわりや技術なのだと思います。とにかく、自分にも他人にも厳しい。一切妥協をしない。その生き様に痺れました。かっこよすぎる。85歳でこれって。

あと、特に一視聴者として思ったのは、映像がとても素晴らしかった。寿司という食べ物を撮っている敬意があるのでしょう、とても美しく、ある種の芸術作品のように提供される寿司が撮られていました。映像の最後も、次郎さんの素敵な笑顔で締められています。それまで厳しそうな表情ばかり見せていた次郎さんのそのような笑顔は、こちらも幸せな気持ちになるようなもので素敵な映像と相まって「良いものを見た!」と心から思える作品でした。

実は今日からしばらくの間ニューヨークに滞在です。研究活動なのでなかなか観光もできませんし、更新できないかもしれませんが、ニューヨークの素敵な街をちょっとでも紹介できたらと思います。


2012年10月22日月曜日

留学中に書いた記事をまとめてみた

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米国大使館の後援で、「留学中の先輩の声」という留学生ブログのオフィシャルライターのようなものを留学中はやっていました。そのためにいくつか記事を書いていたのですが、幸いなことに結構な数のlikeやshare数を頂いたものもあります。外部のブログなので、リンクを貼るにとどめておきますが、(記事が消えることはしばらくないと思うので…)ちょっとしたコメントと共にもう一度紹介したいと思います。アクセスしやすいように、ということで!

・留学の目的などについて書いた『Illinois、読めますか?』
⇒一番最初のポストだったのでとてもさぐりさぐりではありますが、留学に際して意気込みとか目的とか、書いています。今も強く思うことですが、留学の当初の目的を忘れないことが、留学ではやっぱり大事なのかなぁなんて思います。なんだか偉そうですが…。

・学校が大規模でびっくりしたので『アメリカの大学設備がすごすぎる』
⇒図書館が24時間営業なのはたまげました!いやはや、ジムもすごいのです。


・相当反響がありました。留学にはいくらかかるか。留学のお財布事情?!おすすめ!!
⇒やっぱり留学するときに気になるのがお金です。1年の交換留学の人って、どれくらいお金がかかるのかということを紹介しています。あとは、東大は今留学を奨励しているので、留学支援としての奨学金が結構でるのです。それと、留学先のイリノイ大学の卒業後のお給料についても面白いものを見つけたので紹介しています。

・めっちゃ力いれて書いたんですけどあんまりウケなかった英語についてのポスト(笑)英語への不安を吹っ飛ばすために必要なこと
⇒高校生のときはてんで英語がダメで、大学に入ってから結構必死に勉強して、それなりのレベルまで持っていくことができました。最初は不安で不安でしょうがなかったのですが、なんとかなるくらいには、心の持ちようとちょっとした努力でなんとかなるのかなぁなんて。日米学生会議についても触れています。

・動画メッセージその1

・タイトルまんまですアメリカで入院をしてみて思ったこと
⇒人生はじめての救急車と入院をアメリカで経験してしまいまして…。死ぬかと思った。


・アメリカの大学生活を表したあの図。American College Life
⇒プリンストン大学に通う友人から教えてもらった、アメリカの大学生の生活を表す図の紹介です。後日談なのですが、このバリエーションとして、「我々はこの3つ全てを君たちに授けよう」というメッセージをプリンストン大学で彼は見かけたようです笑


・これもかなり反響を頂いたアメリカの学生は本当によく勉強するのか
⇒アメリカの大学って宿題とか多いしよく勉強するって言われるけど本当のとこどうなの?という記事です。良い成績を取るためにうるさい寮を離れてホテルの部屋を取ってまでやる学生がいるという衝撃の事実。試験期間はホテルにとってはビジネスチャンスのようなのです(汗)信じられん…


・最後の最後のまとめです。留学を終えて。高校生と過ごした熱い夏。
⇒H-LABという高校生向けサマースクールについて、それと、留学に関するの本当の気持ちを書いています。グローバル人材だの内向きだのと言われて闇雲に叫ばれる留学ですが、全員にオススメするわけでもないです。大変だったこととか、感じたことを本音で書いてみました。

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留学してたひとりのケースとして参考になればと思います!

2012年10月20日土曜日

今年のノーベル経済学賞をちょっとだけわかった気になる3ポイント

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photo by pennstatelive

決して経済学が専門でもないですし、経済学を真面目に勉強なさってる方にとっては相当ひどいまとめ内容かもしれませんが、政策研究大学院大学の安田洋祐先生のご講演を聞く機会があり、今回のノーベル経済学賞を受賞した米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイド・シャプレー氏(Lloyd Shapley)と米ハーバード大学のアルビン・ロス氏(Alvin Roth)の研究テーマである「マッチング理論」について、学ぶことができました。このマッチング理論は、様々な分野に応用されているようで、中でも医師の臨床研修における受入側の病院と医師のマッチングに関しては日本でも応用されているようです。あとは、周波数オークションであったり、学校選択制、Googleのadwordsなど、かなりの実践例があるそうです。

ニュースサイトなどで、男女のマッチングについて研究した、という情報だけが一人歩きしていてどうにもこうにも具体的には知ることがなかったのですが、今回のご講演で、ちょっとだけわかった気がしました。

AFP通信のニュースによれば

■最も良い結婚相手を決めるには
まず第1ラウンドで、男性全員が自分が最も妻にしたいと思う女性にプロポーズする。複数の男性からプロポーズを受けた女性は、そのうち1人の男性のプロポーズを受け入れる。1人の男性からだけプロポーズされた女性もそのプロポーズを受け入れる。誰からもプロポーズされなかった女性は次のラウンドを待つ。

次に第1希望の女性にプロポーズを断られた男性たちが第2ラウンドへ進み、第2希望の女性にプロポーズする。第1ラウンドですでに他の男性のプロポーズを受け入れている女性も、独身として第2希望の女性に含めることができる。

こうして男性たちの希望リストが最後の女性に至るまで、この手順を繰り返す。途中、女性のほうは前のラウンドでプロポーズを受け入れていても、次のラウンドでプロポーズしてきた男性のほうが自分にとって好ましければ、前の婚約を解消できる。最終的に全員がパートナーを獲得する。


ということだそうです。このメカニズムのことをGale-Shapleyメカニズムというそうです。ノーベル賞を受賞したShapley氏の名前ですね。そしてこの最後の状態を、安定マッチング、というそうです。つまり、Gale-Shapleyメカニズムを使えば、安定マッチングを見つけられる、ということ。

………よーくわかんないですね(笑)

ということで、この男女ペア、というものを、研修医と、研修医を受け入れる病院に置き換えてみましょう。研修医が何人かいて、それぞれが希望研修病院のリストを持っていて、受入側の病院も希望研修医順位を持っている、という状況を想像してください。なんと、医師臨床研修のマッチング協議会がウェブサイトにてGale-Shapley(GS)メカニズムにて、どのようにマッチングが行われるをわかりやすーいFlashアニメーションで紹介しています!ぽちぽちやっていれば、あなたもマッチング理論のメカニズムがわかる!ということで、こちら。(リンク先Flash注意)

聞いたレクチャーをとーっても乱暴にまとめると

1:「マッチング理論」は様々な好みを持つみんながハッピーになるための理論

2:「安定マッチング」とは絶対に他のペアに邪魔されない、みんながみんな最適なパートナーとくっつける状態

3:どんなマッチング問題でも常に1つはこの「安定マッチング」が存在し、これを見つけるのに使われるのがGale-Shapleyメカニズム

ということでしょうか。

うむ、勉強になりました。

2012年10月19日金曜日

東京駅だけじゃない!テーブルサイズのプロジェクションマッピングがすごい。

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9月に開かれた、東京駅のリニューアル記念で、一躍プロジェクションマッピングは有名になりました。プロジェクションマッピングは映像を立体構造物に投影する技術のことで、必ずしも平面のスクリーンとは限らない、というところが面白いところ。そして、人々の興味を刺激するところでしょう。

そんなプロジェクションマッピング、東京駅やディズニーなどのイメージが強いのか、結構「大きなもの」に投影する先入観があります。

そんな中で、アメリカの素敵なマジシャン、マルコ・テンペスト氏(Marco Tempest)が素敵なプロジェクションマッピングの作品を「小さなスケールで」作り上げました。彼はNHKなどでも特番が組まれたことがあるため、知っている人もいらっしゃるかもしれませんし、TEDでも「バーチャルマジック」という彼らしいパフォーマンスをしているから、見たことある、という人もいるかもしれませんね。


彼による、ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)という科学者に関する、パフォーマンス。巨大構造物やスクリーンだけでなく、こういった風にテーブル上のサイズでもプロジェクションマッピングができるのです。すごいです。お楽しみあれ。



同様の内容がTEDでも披露されています。作品そのものを楽しむであれば上記の映像の方がよいと思いますが、字幕が必要な方はTED版をどうぞ。



また、メイキング映像があります。こちらも、必見です。

このプロジェクションマッピング、他とちょっと違う部分があるのです。それは、「動くものに投影している」という部分です。作品中、マルコさんがマスクをつけて、そこに投影するシーンがあります。もちろんですが、マルコさんが動かないというのは不可能なので、マスクの動きを追跡(トラッキング)しなくてはならないわけです。そのため、赤外線LEDを使ったフェイス・トラッキングを用いて、マスクの移動を追跡し、そこに投影するというかなりチャレンジングな方法を取っているようです。これ、リアルタイムで追跡できているところが、エンジニアとしてはびっくりします。どんな制御でやっているのか…。気になりますね!




なんにせよ、マルコ・テンペスト氏のパフォーマンスは、相変わらずすごいですね。結構こういったテクノロジーを用いた作品が多い彼ですが、こういった作品をつくろう、という感覚とそれを実現する力は世界中探しても彼くらいしかいないのではないでしょうか。アーティストとしてのセンス、エンジニアとしてのセンス、そしてエンターテイナーとしてのセンス、すべてがうまく融合し、「面白いもの」を作り上げている、素敵な方ですよね。大好きです。



プロジェクションマッピングに関連していうと、以前六本木ヒルズで行われたTED World Wide Talent Searchに参加した際に楽しませていただいた、Shiro-Aというグループのパフォーマンスも素晴らしかった。プロジェクションマッピングとテクノ音楽を合わせたパフォーマンスです。こちらのYouTubeに映像が。お楽しみください。いや、本当にこれ、すごかったんですよ。ライブで見てほしいなぁ。昨日のポストにも書きましたが、やっぱりこういったものは生に限ります。




そしてまた、東京駅のプロジェクションマッピングを見ることができるようです!
12月21日から28日の期間、「東京ミチテラス2012」が開催されます。
「ヒカリエ」や「ソラマチ」にあやかたようなネーミングで、(僕は好きですが!)楽しみですね。期間がどうにもカップルだらけな予感がしますが、東京駅舎のプロジェクションマッピングは間違いなくすごいものになると予想しています。リニューアルイベントの作品も相当よかったので。今から楽しみです。



東京ミチテラス開催決定http://b.hatena.ne.jp/articles/201209/10718


東京ミチテラス2012は、2011年までの6年間にわたって行われてきた「光都東京・LIGHTOPIA」に替わるイベントです。「歴史、未来、希望」を基本テーマに、光を使った企画を展開します。 
東京駅前広場では、プロジェクターを使って建物などに映像を映し出す「プロジェクションマッピング」を用い、10月1日(月)に復原が完了する東京駅の駅舎をスクリーンに見立てたライティングショーを行います。 
東京駅前と皇居をつなぐ行幸通りには、花や水をモチーフとしたテッセレーション(モザイク模様)型の走馬灯が設置されます。走馬灯は夜になると内側から照らされ、模様が色とりどりの影となって空間全体に広がる様子を楽しめます。




2012年10月18日木曜日

小林賢太郎演劇作品『ロールシャッハ』を初日に見てきた

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Rorschach
By Adam Crowe

敬愛するアーティスト、小林賢太郎氏の脚本・出演を手がける『ロールシャッハ』を下北沢の本多劇場にて観てきました。

「ロールシャッハ」とは「ロールシャッハテスト」という心理学の性格分析のテストのことらしく、上の図形のような、インクを垂らして描いたような図形を見てどのように見えるか、ということで判断することができるらしいのです。

なんでこのタイトルなのか?とか、そういうことに言及するとネタバレになってしまいますから、それは触らないでおきますが、とにかくとにかく、「良いものを観たなぁ」という感想です。

小林賢太郎氏と言えば、張りまくった「伏線」やストンと落ちる「騙し」の部分の印象がとても強いですが、勿論彼の脚本なのでそういった部分はたくさんありました。でも何よりも私がよかったと思うのは、久ヶ沢さんはじめとする他の3名の役者の方たちが、うまく彼らの味を出しながら、同時に小林賢太郎色も出していたという部分をひしひしと感じたところです。久ヶ沢アニキ、好きです。

あとは、小林賢太郎氏らしい、ちりばめた笑い。ドッカーンという爆発的な笑いを引き起こすよりも、細かな笑いをちょいちょい挟んで行く、そして時にはそれを応酬する。ファンであることを差し引いても、あぁいったコメディ感というのは、やはりお笑い芸人として活動していた人にしか書けない部分なんじゃないかなぁと予想してしまいます。いやはや、すごい。

そして、何よりも大事なのがライブ感。
他のKKP(小林賢太郎演劇作品)はDVDでしか視聴したことがなく、生で観たのはこれがはじめてでした。当たり前ではありますが、俳優の皆さんの声は、地声です。マイクで拡声されることなんてありません。この本当の声を聞くために、観客全体が静まって舞台を観て、笑って、拍手して。その笑いがおさまるのを舞台上の役者は待って、間をとって演技し続ける。こういう、暗黙での舞台上と観客とのコミュニケーション、そして観客同士の一体感が僕は大好きで、これこそライブの醍醐味なんだって思います。YouTubeやDVDだけでは、見たとは言えない、そう思うのです。

小林賢太郎氏本人もこう言っています。

舞台は "ナマモノ" です。 出演者のがんばりはもちろんですが、 客席のみなさまのご協力があって、ひとつの舞台ができあがります。 一期一会のライブ空間、存分にお楽しみください!

まさにその通りなのではないでしょうか。彼のこのメッセージは舞台上のアーティストとしてのメッセージなのかもしれませんが、彼自身色々なところに足を運んで生で色々なものを観ているといいます。ライブを愛する人の作品は、やっぱりライブで観なければと思うのです。


実は今回の作品は幸運にも2回観ることができるので、次回の横浜公演が楽しみで仕方ありません。KAATホールという素敵な会場で、演技にも余裕が出てきたときにどう作品が料理されているのか?というところが気になります。そして何よりも、これはストーリーの性質上、2回観るのにふさわしい作品です。ラッキー。待ってろよ、横浜!


2012年10月17日水曜日

ひとつずつ積み重ねること

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diary writing
By freddie boy

人間誰しも小さな悩みや願望はあるだろうけれども、そういったことを克服するために、何か習慣づけようと思うことがありますよね。

例えば、太ってしまったからダイエットしよう、じゃあ毎日ランニングしよう、なんていうのは多くの人が一度は考えたことがあることかもしれません。じゃあランニングを毎日することができるでしょうか。そんな簡単にできれば、ダイエットには困らないでしょう。実際は、仕事だとか寝不足だとか、いろんな理由をつけて、毎日走ることは難しい。僕も、全然走れてない。うん、絶対太ったんです、最近。

日記だって同様です。日記を毎日つけることって本当に難しい。僕も10月からつけはじめましたが、やっと2週間くらいたって、日記を書くことを日々のルーティンワークに紐付けることができるようになってきた気がします。日常生活で歯磨きをしたりお風呂に入ったりするのと同じように、当たり前の習慣に落とし込むことって、やっぱり日がかかることなのだなぁと改めて実感しています。

3日坊主という言葉があって、よく悪い意味で使われることが多いですが、常々僕が思うのは「3日坊主って別に悪くないじゃん」ということです。まず3日でも続けたという事実は結構すごいことだし、3日坊主も3回つづければ、それぞれの「3日坊主」の間に1日のブランクがあっても、なんだかんだ11日は続けたことにしちゃっていいんじゃない、って思うのです。3日坊主も、それなりに続ければ、それなりの習慣になります。(と信じています。)

ということで、そんな自己弁護をしながら、僕は日記をつけつつ、そしてそろそろブログも書こうかなと思うのです。思考の垂れ流し、というわけではなく、面白いなと思ったこととか、紹介しようと思います。

何個もの習慣を一度に身につけるなんていうのは絶対無理だと思うのですが、ひとつずつ、日記をつけるようになる、次は運動する、毎日○○する…というように、ゲーム感覚で1個ずつクリアしていくことが重要なのかな、と。少なくとも受験勉強においては、僕は完全にそういう感覚でした。日々の勉強タスクをこなすゲームをやっているんだ、という感覚。