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2013年1月4日金曜日

iPS細胞と電気ブラン

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三が日明け、未だお正月の喧噪の残る浅草の老舗『神谷バー』にて電気ブラン。

By katsuma

電気ブランとは、ブランデーベースのカクテル。幼い頃に浅草の神谷バーの前を通った時、ターンテーブルに乗ったコハク色のグラスを覚えている。あれが、ついに飲める年になったのだなぁと、ちょっとおっさん臭いことも考えながらも、お酒を嗜む。

1880年に神谷バーができた当時、明治時代ですが、最新のものを表す象徴として「電気○○」といった名称が流行っており、それにあやかって、電気ブラン、と名付けたそうです。ブランはブランデーのブラン。そして飲んだら高いアルコール度数のためにビリビリと来るというから、電気、というワードがぴったりだったそう。

しかしこれを聞いたとき、あぁ、「iPS細胞」と名付けのノリは近いのかぁ、と気づきました。ノーベル賞を受賞した山中教授は、iPS細胞(=人工多能性幹細胞;induced pluripotent stem cell)の最初を小文字の「i」にしたのは、当時世界的に大流行していた米アップルの携帯音楽プレーヤーであるiPodにあやかってつけたもの、とコメントなさっています。略称がもともとIPSではあり、適当に「電気」とますが、この発想はなんとなく電気ブランと一緒だなぁ、なんて。

21世紀をいく最新技術と、明治時代より愛される19世紀から続くお酒の変な共通点を見つけてしまって、ちょっぴり不思議な気分にひたりながら、ハイカラな空間でお酒で気持ちよくなる夜。

P.S.
神谷バーは浅草最古の鉄筋コンクリート建造物のようで、2013年2月から大更新をするようです。文化財登録されているとのことで、どのように残し、どのように耐震や構造補強をするのか、気になるところです。

■神谷バー
http://www.kamiya-bar.com/
〒111-0032台東区浅草1丁目1番1号
東京メトロ・東武スカイツリーライン浅草駅からすぐ。

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